琥珀色の街のデザイン屋

吉祥寺で畑の世話をしつつ、web開発をしているデザイン事務所です

2013年12月27日

クライアントを教育することもデザイナーの義務?

■ クライアントを教育することもデザイナーの義務?



デザイン業界では、50年来よく言われてきたことですが、
WEBではいまいち定着していないように思うのです。


要するに「どの作業が何に属し、相場いくらくらいかかるものなのか?」ということ

他の媒体であれば、

例えば、紙媒体の場合
・デザインをするのはデザイナー、
・テーマを考えたり、どんな広告にするのかを決めるのはアートディレクター、
・印刷をするのは印刷屋、
・それを配る手配をするのは、企画屋、

など、歴史が長い分、わりとはっきりしている感じがあり、また分業もされていますが、


これがWEBになると
WEBデザイナーというのは、元々、一人でサービスを作り上げて、運用して利益を上げてきたような人が多いため、
この境界があいまいにだったりします。

・運営提案やアドバイス(本来はコンサルタント業務)
・文言のチェックや提案(本来はコピーライティングやアートディレクション業務)
・システム設計からプログラミングorシステム構築(本来はプログラミング業務)
・デザイン(デザイナーの本業)
・サーバやドメインの手配と管理(本来は運用関連業務)
この辺りはWEBデザイナーを名乗るなら、出来て当然のものとなっています。

だから、どれが費用が発生する業務なのか、相場いくら程度の業務なのか?
というのを、クライアントにひとつひとつ理解していただく必要があるのです。




■「クライアントは使い捨て」と陰で言われてきたWEB業界



で、結局のところ、この業務の境界がはっきりしてないWEB業界では、
陰では「クライアントは使い捨て」という乱暴な言葉も使われていました。
発注者の比率では、WEB初心者の方が多数派であるせいもあります。


WEBサービスの正否を分けるのは、アイディア1割、運用(サービスのクオリティも含む)9割だと私は考えています。
ほぼ同じ事業を行っているヤフオクと楽天オークションで、ヤフオクが圧勝しているのを見れば一目瞭然でしょう。


例えば、たった2時間のメンテナンス情報を、メンテナンス終了から2ヶ月経っても、お知らせに上げっぱなしにしていたり、
契約の確認事項が、1年メールをやり取りしても解決できていないなど、
そもそもWEBに割ける人員が足りないのに、強行しているのが見て取れるケース、
これはもう、どんなに素晴らしいアイディアや、クオリティの高いシステムを持ってしても、失敗するのが目に見えているのです。


既にWEBで事業をされている企業さんの場合は、
運用に必要な人員リソースを計算に入れて、発注されるので問題が少ないのですが、
多数派である、WEBに新規参入の企業さんの場合、
思いつきでWEB事業を始めようとして、箱(サイト)さえできれば、何でもかなっちゃう夢の世界〜♪、
と誤解されて参入、そして失敗されるケースのが多い。


後者のタイプは、そもそも先述の
・運営提案やアドバイス(本来はコンサルタント業務)
・文言のチェックや提案(本来はコピーライティングやアートディレクション業務)
あたりに対するコスト感覚を備えていないので「タダでやってくれて当たり前」と思ってしまい、必要な対価を出し渋る。

デザイナー側も「きちんと対価を受け取っていないものに責任を持つ義理はない」と考えて、それなりの対応をする。
「この会社は、結局、何を言ったところで失敗するんだろうなぁ」と予測した上で。
これがタイトルの「クライアントは使い捨て」になるのです。

結局、WEB事業の経験の豊富な企業さん(=自前でWEBデザイナーを雇っている企業さん)だけが生き残っていく状態。



これを解消して、未経験者にもやさしい業界になるためには、
何に対して、どれだけの金額が発生するのか?必要なのか?を広めていく必要があるのです。
デザイン業界で長年言われてきた「クライアントを教育」と同じように。
posted by ohweb at 08:07| Comment(0) | web開発